感染症の症状をセルフチェック!
感染症はほおっておくと、不妊や子宮外妊娠等のリスクがあることや、たとえあなたに自覚がなくてもパートナーやご家族に感染することで他の人に感染した場合に、その人にのみ症状が顕在化することもあります。
何かしらの不調や、いつもと異なる兆候が体に表れて中々解消しない場合や、パートナーとの性的接触があった後など心当たりがある場合はすぐに病院で診察を受ける事を心がけて下さい。あなた自身の体のためでもありますし、大切な恋人やご家族のためでもあるのです。
中にはほとんど症状が出ないものや、異なる病気にもかかわらず症状が類似しているものもあります。今回は、日本に於いて感染例の多い感染症の代表的な症状や病院で行われる処置をまとめてみました。
この記事の目次
クラミジア感染症
感染源 | 性行為・オーラルセックス | |
---|---|---|
病原体 | クラミジア・トラコマチス | |
主な治療法 | 抗生物質 | |
症状 | 感染してから症状が出るまでに1~4週間程度で、とても幅があります。おりものの量が増える程度の自覚症状のため感染に気が付かない事も多いようです。しかし、放おっておくと子宮の奥深くまで細菌が侵入してしまい、不妊や子宮外妊娠の危険性があります。日本では感染者数が一番多い性感染症に分類されています。 |
淋病
感染源 | 性行為・オーラルセックス | |
---|---|---|
病原体 | 淋菌(細菌の一種) | |
主な治療法 | 抗生物質 | |
症状 | 感染してから症状が出るまでに1週間程度かかります。おりものの量が増える程度の自覚症状のため感染に気が付かない事も多いようで、クラミジアと症状が類似しているのが特徴です。子宮内膜炎や卵管炎などの症状を引き起こし、不妊や子宮外妊娠へと繋がることもあります。日本ではクラミジアに次いで感染者数が多い感染症です。 |
尖圭コンジローマ
感染源 | 性行為・オーラルセックス | |
---|---|---|
病原体 | ヒトパピローマウイルス | |
主な治療法 | ベセルナクリーム・レーザー・電気メスによる外科的除去 | |
症状 | 感染してから症状が出るまでに1~12ヶ月と大きな開きがあります。膣口や小陰唇、肛門付近にイボ状のできものが生じます。排尿痛、性交痛などを伴うこともあり、かゆみを伴うこともあるようです。殆どの方は感染しても気がつかない内に治癒していますが、子宮頸部に感染すると子宮頸がんに進行することもあります。 |
梅毒
感染源 | 性行為・オーラルセックス | |
---|---|---|
病原体 | 梅毒トレポネーマ(細菌の一種) | |
主な治療法 | 抗生物質 | |
症状 | 感染してから症状が出るまでに2週間~数ヶ月程度と幅があります。皮ふや粘膜の小さな傷から、梅毒トレポネーマという病原菌が侵入することで発症します。大陰唇、小陰唇、膣口付近のデリケートゾーンや肛門、口にしこりができ、リンパ節がはれた後、さらに症状が進行すると全身の皮膚にアザ(斑点)やブツブツができる性感染症です。 |
トリコモナス膣炎
感染源 | 性行為・大衆浴場・便座など様々 | |
---|---|---|
病原体 | トリコモナス原虫(寄生虫) | |
主な治療法 | 抗原虫剤(メトロニダゾール等) | |
症状 | 感染してから症状が出るまでに1~3週間程度かかります。トリコモナス原虫が寄生することによって感染し、膣に炎症がおきます。デリケートゾーンにかゆみや痛みがあり、悪臭のするおりもの、泡がまじったおりものが出ることもあります。 |
性器ヘルペス感染症
感染源 | 性行為・オーラルセックス | |
---|---|---|
病原体 | ヘルペスウイルス | |
主な治療法 | 抗ウイルス剤(軟膏、内服)など | |
症状 | 感染してから症状が出るまでに数日~2週間程度かかります。デリケートゾーンを中心にかゆみがおこり、進行するとに小さな強い痛みを伴う水泡が多数できます。ヘルペスに一度感染してしまうと、一度は症状がおさまったとしても、ストレスなどのきっかけでで免疫力が低下した時に再発するとても厄介な感染症です。 |
カンジダ膣炎
感染源 | 免疫力の低下 | |
---|---|---|
病原体 | カンジダ(真菌、カビの一種) | |
主な治療法 | 抗真菌剤など | |
症状 | 症状は、デリケートゾーンや膣、肛門に強いかゆみがでて、白いクリーム状のおりものが出るようになります。カンジダは常在菌に分類され、普通の人でも皮膚や腸の中に持っており、ストレスや体調不良により免疫力が低下すると増殖して発症するので、潜伏期間を具体的に算定する事は困難です。余談ですが、カンジダの患部を直接触った手で、粘膜や傷口を触った場合に発症する可能性はあるようなので、感染症と言えなくはないようです。厚生労働省の疾病分類表(ICD10)と言うものがあり、これによると「感染症」ではなく「真菌症」に分類されています。 |
AIDS 後天性免疫不全症候群
感染源 | ウイルスを含む血液、精液などが粘膜や傷口に接触 | |
---|---|---|
病原体 | エイズウイルス(HIV) | |
主な治療法 | 抗HIV治療薬 | |
症状 | 感染後2週間ほどで、インフルエンザに似た症状がが出ますがそれから5~10年ほど症状がなく、非常に長い潜伏期間が特徴です。発症後はヒト免疫不全ウイルスが免疫細胞に感染、増殖して免疫力が極端に低下することで、様々な病気にかかる事で死に至る病です。この病が一般に認知された時の報道で、とてもネガティブなイメージを持っておられる方も多いことでしょう。しかし、近年はさまざまな治療薬が出ており、きちんと服薬することでエイズ発症を予防することが可能になってきています。どこでHIV検査を受けられるかを調べるときは、こちら ➔ 財団法人エイズ予防財団 を参照してみてくださいね、きっと力になってくれると思います。 |
複数の感染症を併発していることも・・・
感染症の症状は潜伏期間がどれも幅広く、似たような症状が出たりしますから一概に「コレだ!」と自己判断することは大変危険です。1つの感染症にかかってしまうと免疫力が低下して、2つ目3つ目の感染症に同時感染してしまうことも多いようですから、こうなると一体何に感染しているのか、素人ではとても判断がつかないと言えます。
自覚症状があまりない事もありますから、少しでも異常を感じたらすぐに検査を受けるようにしましょう。もし、パートナーの男性に感染症の疑いがある場合は、必ずお二人とも検査を受けるようにして下さい。あなたが完治しても、もう一人が感染症を患っていると再度感染してしまいますよ。


ご自宅で内緒で感染症を検査できるキットもあるので活用しよう!
感染症が進行して、病原菌やウイルスが卵管内や腹腔内にまで達してしまうと、たとえ症状が治癒できたとしても、後遺症として不妊の原因になったりもしますので、早く気がついて早く治療することがとっても大切です。
近年はお医者様に行かなくても、プライベートを守ってご自宅で出来る検査キットも開発されていますので、心当たりがある方は活用してみては如何でしょうか?